あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈2/27 試せ北の大地-17〉在りし日の留萌線放浪記ー留萌

こんばんは。

やっとこさ最終回も見えてまいりました、この〈試せ北の大地〉シリーズ。藤山から路線バスに乗車しまして、留萌本線のかつての終着駅かつ本旅のゴール地点とも言える、留萌(るもい)に辿り着きました。

前回の模様はこちらから。

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留萌駅(北海道留萌市船場町)

開業:1910年

アイヌ語由来:ルルモッペ(汐が奥深く入る川)

乗車人員:35.2人(2021年度)

停車本数:上り7本(2022年度)

昨夜と今朝は真っ暗だったので、3回目の訪問にしてやっと明るい時間の留萌駅を観察することができました。廃線当時の駅舎は1967年に完成した2代目とのことで、文字がそれぞれ独立した駅名標とJRマークがその「昭和感」を漂わせます。

駅舎の2階には地元のラジオ局「エフエムもえる」が入居しているものの、いずれは取り壊したうえで新たな交流施設を建設する計画が出ています。さすが元・市の代表駅、中心的な役割を担うという使命は過去も未来も変わらなさそうですね。

 

駅舎内の一角にはちょっとした展示コーナーが設けられていました。恵比島の回で触れたSLすずらん号や留萠鉄道に関連するものが多かったような。恵比島から出ていた路線とは別に、ここ留萌から留萌港までを結ぶ「海岸線」が分岐していたんですね。

さらに、かつては宗谷線幌延に至る「国鉄羽幌線」や達布までを結ぶ「天塩炭礦鉄道」が分岐していた巨大なターミナル駅だったことを初めて知りました。

3社4路線が乗り入れていたのも遠い昔の話。2016年に留萌線の増毛方面が廃止され、2023年にはいよいよ留萌駅そのものもが過去帳入りに。ん~時代の流れという言葉で片づけていいものなんでしょうか。

 

展示コーナーの後方には、もはや名物となった「立喰そば」がありました。関西だしに馴染んでいる身からすると、濃いかつおつゆに甘辛いにしんが載った「にしんそば」がまあ新鮮のなんの。寒さの中の温かさもあって、美味しいんだなこれが。

廃止と同時にその去就も注目されましたが、なんと近くの道の駅「るもい」で再出発を果たしたそうな。駅弁も気になるところですし、今後とも変わらぬ味を提供し続けてほしいものです(となると今度は店主の体調が心配ですが…)。

 

駅の西側、国道231号からの光景です。ちょうどラッセル車が除雪作業をしていました。数本しか列車が来ないような場所でも適切な維持・管理を行ってくれる、言い換えれば行わなければならない、それもまた北海道の鉄路の厳しさを物語ります。

早朝から各駅を巡ってきたわけですけど、正直周りには何もない(あっても数軒程度の)、利用者お察しな小駅ばかりでした。それはそれで鉄道ファンの心を擽るわけですが、ここ終点だけはそれなりの規模の街が形成されている、いわば別格の駅なはず。

 

同じ場所で振り返ると、かつての増毛方面に繋がるトラス橋が現存していた

ちなみに留萌市の人口は道内32位(2022年)。前後の美唄市深川市とはほぼ僅差なので、街の規模を考えても鉄道「利用」を維持していくのはそう難しくはないような気がするんですが… まあこれもただのエゴでしょうね。

増毛駅舎のように観光資源として残される駅もあれば、更地に朽ち果てる駅もあることから、廃止後の動向も気になるところ。というか普通に留萌市内を観光できなかったので、いつかまた訪れる機会を作りたいです。

 

セイコーマート留萌錦町店でおやつを買い込んで(何買ったかは忘れました…)、近くの錦町停留場から路線バス「留萌旭川線」で深川十字街停留所まで乗車、そこから歩いて数分の深川(ふかがわ)にやってきました。

函館本線留萌本線が分岐する主要駅なんですが、特急が毎時1本来るのとは対照的に普通列車は3時間空く時間帯も。都市間輸送が旺盛なのは良いこととは言え、その道中はもはや一面銀世界…というのも北海道らしい話です。

 

深川駅(北海道深川市1条9丁目)

開業:1898年

アイヌ語由来:メム(清き水)・オオホナイ(深い川)

乗車人員:859.4人(2021年度)

停車本数(函館線):上り32本(うち普通8本)/下り33本(うち普通9本)

停車本数(留萌線):下り7本(2023年5月)

おお貴重な自動改札機がある…というのは冗談ですが、そこそこの利用者がいる証拠にもなりますな。ちょくちょく話題になる駅員さんからの熱いメッセージボードがこんなところにも、絵描き師は身近なところに潜んでいそうです。

何度も触れますが、現在残る深川~石狩沼田も2026年3月末に廃止されるため、名実ともに留萌本線が姿を消します。今回ですら盛大にセレモニーが行われたくらいですから、この時もさぞかし惜しまれることでしょう。

 

びっくりするくらいの快晴 白化粧した山が映える (特急車内から)

各駅を巡ってきましたが、高校生のような地元利用があっても維持できないというのが避けられない現実でした。そのことに気付きながら、かつ鉄道ファンとして「良さ」を発見しながら楽しめたと思います。

お疲れさまでしたなのか、ありがとうなのか、難しいところですけど、観光資源として存続するのならば引き続き応援していきたいですな。

 

札幌行き特急「ライラック」24号に乗り込みまして、次回がなんと最終回でございます。いや長かった…

今回はここまで。ありがとうございました。

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