あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈2/27 試せ北の大地-14〉在りし日の留萌線放浪記ー真布

こんばんは。

在りし日の留萌本線を行ったり来たりする旅シリーズ、前回(峠下)の模様は下のリンクからどうぞ。

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峠下から深川行き(4922D)に乗車。通勤・通学時間帯だからか、車内は座席が程よく埋まる程度でした。ぱっと見では全員が同業者ではなかったのが一安心なものの、「廃止1か月前の」「平日朝で」この乗車率、う~ん何とも言えない気持ちでした。

ただでさえ駅前が閑散としているのだから、駅間なんかは完全にありのままの姿です。2021年度の営業係数は2183円と、JR北海道で2番目の収益の悪さだそうで、この車窓を見るまでもなく北海道の鉄路の厳しさがよく分かる瞬間でした。

 

そんなことを考えていると、次なる訪問駅である真布(まっぷ)に到着しました。どう考えても「地図」を彷彿とさせるその駅名は、かつての終点・増毛(ましけ)と負けず劣らずのインパクトを誇ることで界隈から人気を集めています。

ところで自分が現金精算している間、入れ違いに高校生が乗車していきました。田畑のど真ん中にあるので当然のように民家は皆無なんですが、先日の西女満別といいどこからやって来るんでしょうか…

 

真布駅(北海道雨竜郡沼田町字真布)

開業:1956年(仮乗降場)→1987年(昇格)

アイヌ語由来:パンケ・シルトロマプ(下の山の間にある川)

乗車人員:2.2人(2021年度)

停車本数:上り4本/下り5本(2022年度)

板張りホームと木造待合室を有する1面1線の棒線駅。1両分あるかないかという短さもまた、当初は仮乗降場として誕生したという経緯が垣間見えますね。

停車本数からお察しの通り、数本の列車は通過してしまいます。とくに下りの始発(4925D)は11:29と昼前という有様ですが、朝に石狩沼田・深川方面へ向かって夜に帰ってくる分にはそこまで不自由しなさそうなダイヤ設定でした。

 

この片流れ屋根の待合室、もちろん中に入ることもできまして、突然の雪でもギリギリ耐えられそうな造りでした。お世辞にも広いとは言えないこの空間に、駅ノートやら座布団やら千羽鶴やら、訪問者が残していった宝物が詰まっていたわけです。

ちなみに深川を除いた留萌線11駅の中で石狩沼田、留萌、秩父別に次ぐ第4位の乗降人員数を誇ります。さっきの高校生の定期利用分ですかね?まあ他が1人以下とかそういう世界ですから致し方ない。

 

もう少し哀愁を感じていたいところですが、行程上そういうわけにもいかないので雪中行軍タイムと参ります。隣駅までそれぞれ3.4km・2.9kmと北海道にしては全然優しい距離ですし、線路沿いにひたすら直進するだけなので心身ともに負担は少ないかと。

沼田町内は並行して町営バスが走っていまして、現在はそれが代替手段となりました。2023年4月からはそれまで経由していなかった真布駅前も追加、かつ列車との接続も考慮されていることから、利便性はそこまで落ちてはいないようです。

 

ちょうど向かい側から幌新温泉発の沼田駅前行きバスがやってきました。これに乗れば7:58着→8:15発の留萌行き(4923D/真布通過)に乗り継げたんですけど、あろうことかフリー乗降区間なので乗り方がよく分かりませんでした。

峠下でも案内を見かけた「ほろしん温泉ほたる館」とは日帰り入浴も可能な宿泊施設なようで。夏にはホタルも飛び交っちゃったりして、なかなか良さげなロケーションです。ただ留萌線が全線廃線となってしまうと、いよいよどうアクセスしたものか…

 

と思ったら路肩の雪に埋もれたバス停を見つけました。ここが「牧場前」ということは手前の「恵比島4会館」を素通りしたというわけですが、それらしきポールは無かったような気が。ま、まあどのみちバスは既に過ぎ去ったんでね…

雪中行軍とか大袈裟なことを書いたものの、ガッチガチに踏み固められた路面なのでサクサク歩けましたし、何より誰もいない雪原の中をのんびり歩くという経験自体が貴重だったので苦ではありませんでした。

 

隣なる駅までもう少し、次回に続きます。ありがとうございました。

 

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