こんばんは。
早いもので年度末、いかがお過ごしでしょうか。新生活・新学期ということで、慣れない部分もあるかと思いますが、そう気張らずにこなしていきたいところです。現実がそれを許してくれるかは別の話ですが。
「試せ北の大地」と銘打っときながらやっぱり試されてしまったシリーズ、旭川市内にて一泊したところでした。
前回の模様(2日目)はこちらから。
3日目は富良野線から参ります。どうでもいいですが、富良野線は日曜・祝日(=休日)だけ時刻が違うようで、土曜は平日ダイヤになるようです。そのおかげか乗車予定だった始発(721D)がまさかの運休、1本遅い列車(723D)に乗ることになりましたとさ。
美瑛や富良野などの「夏に行きたくなるような」観光地を通る54.8km、全18駅の路線ですね。意外なのかそうでもないのか、昨今の存廃問題で発表された「JR単独では維持できない路線」のひとつでもあります。
で、こんな雪の中で観光しに来たわけではなく、富良野線にも2023年ダイヤ改正で変化がありまして。道内で増殖し続けるH100形電気式気動車が導入されたことで、写真のキハ150形やキハ54形が置き換えられました。
急勾配や積雪に強い冷房付き車両として平成初期に誕生したわけですが、車内は想像通りの2+1列セミクロスシート。どこぞの地方三セクかよ、と思うような配置がまた良いんですよ。旭川運転所の車両はラベンダー色の帯を巻いているのも特徴です。
で、先述の観光需要に加えて一応通勤・通学路線でもあるわけですが、駅間はご覧の通り雪原しかありません。道内じゃお馴染みの光景ですけど、これで1~2時間に1本確保するというのはもはや限界なのかもしれません…
西御料・西瑞穂・西神楽・西聖和のにっしー4兄弟を過ぎ、のほほーんと車窓を眺めていると、どえらい気になる建物を目撃。急遽その次の千代ヶ岡で降りることにしました。昨日の瑠辺蘂はともかく、まさかの自ら行程を崩壊させる暴挙に出やがったぞ…
千代に八千代に栄えることを願って命名された地名を冠する駅ですが、もう何も言わないことにします(別に特段過疎ってるわけじゃないよ)。保線作業員さんの詰所があるからなのか、無人駅でもきちんとストーブが稼働しているというのが地味に有難い。
さてここから2駅戻りたいわけですが、先述の休日運休の列車が2本も続くので次の旭川行き(726D)は約2時間後。しかもその列車には通過駅があるようで。
でも安心してください、並行して道北バスの路線が旭川~美瑛を結んでいますので、これにてワープすることができます。ついでに言えば、元々どこかで降りて1本撮影するつもりだったので、行程は「ギリギリ」崩壊していません。
まあバスが無かったとしてもすぐ隣にセコマ千代ヶ岡店があるんでねえ…
列車からは通路越しに西側を眺めていたので、バスでは東側を。これまた相も変わらず雪山かと思いきや、実は旭川空港が広がっているようです。先程の千代ヶ岡が徒歩での最寄駅で、約4kmの道のりで辿り着くことができます。
このバスもまた、富良野線の経営を苦しめる要因のひとつでしょう。にっしー4兄弟からお察しの通り、集落や団地からやや外れた場所に線路が通っているため、直接乗り入れるバスの方が便利なのかもしれません。
結節点になると使い勝手が良いものの、昨日の石北線と北海道北見バス然り、こうして並行して走っていると間隔が短いバスに軍配が上がることもあります。共存って、簡単に言えるようで実際は難しい問題なんだと実感しました。
そんなこんなで揺られること数分、西神楽に帰ってきました。かの昔は神楽町という自治体で、由来はアイヌ語で「ヘッチェウシ(=神々の遊ぶところ)」と何だか楽しそうな雰囲気。ちなみに東神楽町は旭川空港所在地として現存しています。
やっぱりここも保線作業員さんの詰所がある関係か、ぬくぬく暖かいストーブ付き駅舎。自動券売機もあり、利用者は比較的多いようです。やっぱ運賃の安さと速さは鉄道のメリットですから。
ちょっと歩きまして、西神楽~西聖和(上り2本は通過)にあるのが、赤い鳥居が目立つ神楽神社です。アイヌ民族には「カムイ」という神(厳密には霊的存在)が存在しますが、明治時代以降の入植者によって建立された寺社仏閣もちゃんとあるんですよね。
これが珍しいというわけではないものの、神と神がひしめき合っている気がするのが何とも不思議。というかカムイが果たして神に相当するのか否か、そこから議論が分かれるところなので、別格として考えるのが筋なのかもしれません。
キハ150形(16)+キハ150形(10) 〈725D 普通 富良野〉
ということで、境内から失礼しまして鳥居とキハ150形の2ショットを。運良く苗穂色(萌黄+空)と旭川色(ラベンダー)の混結編成で来てくれたので、連結面を目立たせておきました。これも今や過去帳入りです。
旭川にいるキハ150形は0番台で、富良野線を離れた現在は石北本線や留萌本線で走っているそうな。さらに苫小牧では100番台が活躍中ですが、こちらもH100形の投入によってじわりじわりとその場を狭めつつあります。
「北海道のローカル気動車」と言えば、やっぱり国鉄型のキハ40系列が注目を集めがちですが、こちらも近代化やら低コスト化やら地味ながらJR北海道に貢献してきた車両です。お立ち寄りの際は、ぜひ合わせて狙ってみてはいかがでしょうか。
で、西神楽に戻ってきたらホームは足跡ひとつない積雪具合。まあこれが今日2本目の列車ですけど、ここも一応旭川市内ですからね。富良野線の現状も先述のような有様ですので、今度は観光ついでに乗り通したいものです。
次回に続きます。ありがとうございました。