あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈2/25 試せ北の大地-8〉いまこそ輝け!北のキハ183系

こんばんは。

今年のダイヤ改正で個人的に気になったのが、平日朝に設定された柘植発網干行き(5327M)。三重から滋賀・京都・大阪を通って兵庫のさらに西の方に行けてしまう、とんでもないロングラン列車です。乗り通す人いるんですかね…

 

さて本題へ。アクシデントに見舞われながらも石北本線をうろちょろし、始まりの地・北見に戻ってきました。

前回の様子はこちらから。

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北見駅1番線、特徴的な4つの前照灯、高速運転と耐雪を兼ね備えたエンジンを轟かせながら、キハ183系が滑り込んできました。今日1日お世話になったということでこの特急「オホーツク」4号に乗車しまして、本日の宿泊地である旭川を目指します。

北見~旭川は距離にして約180km、東京~静岡とほぼ一緒の距離を走るわけですが、通し(網走~札幌)で乗ると実に約370km、名古屋まで行けてしまうという遠さ。それもう新幹線使うレベルですよ、なんなら飛行機でもいいくらいです。

 

忘れかけているかもしれませんが、使用中の「ひがし北海道フリーパス」は特急の普通車自由席にも乗り放題です。ただ、今回は3時間ほどの長旅ですし、少なからずのJR北海道への貢献ということで指定席を押さえておきました。

で、その席というのがまさかの1号車17番A席。JR北海道では唯一となってしまった「客席から前面展望ができる」車両の、まさにその特等席を引き当てることができました。

…まあ、指定席券の発売開始日であるちょうど1か月前の10時を狙いまして、えきねっとで楽々取っただけなんですけどね。思いの外すんなり終わったセルフ10時打ちでした。

 

「いまこそ輝け!北の大地の183系」キャンペーンの第2弾として、1号車17番A・B席とそれまでは自由席だった4号車の2席を「かぶりつきシート」と命名し、指定席として発売するようになりました。

石北本線はその歴史的経緯から遠軽スイッチバックを行うため、前面・後面となる区間がそれぞれ存在することになります。C・D席の目の前は完全に壁でかぶりつくも何もないので、実質4席限定のお楽しみ席というわけですな。

 

で、実際に座り込んだ時の感想ですが、当然ながら夜間時は車内の光が反射するので、よーく目を凝らさないと自分の顔を前面展望することになります。しかも乗務員室の空間が挟まっているので、座り方にはちょっと工夫が必要です。

ただ、そこは腐ってもかぶりつき。安国での「大雪」3号との行き違いやエゾシカによる直前横断、そして僅かな灯りを頼りに暗闇を淡々と進んでいくその様子そのものが、他と代え難い貴重な体験であるように思えました。

 

1時間くらいで遠軽に到着しました。件の通り、進行方向が変わるため、乗務員さんの移動やら「前後のお客様とお話合い」やらの時間を兼ねて3分停まります。

元々は紋別を通って名寄へと至る名寄本線を主として現在の石北線が分岐する形だったようです。1989年に名寄本線が廃止されたことで、別に急勾配でも何でもない場所なのにスイッチバックが誕生してしまいました。

発車標の一番下の欄には「紋別・名寄方面」と書かれているでしょうけど、再び点灯することはありません。というかこれいつからあるんですかねえ。

 

進行方向を変えた「オホーツク」4号、自分の席に戻ると見違えるほどグレードアップされていました。北見→遠軽は先述のかぶりつきシートでしたが、ここで特急券を分割しまして遠軽旭川は2号車のグリーン車を指定しておきました。

というのも、後継となるキハ283系にはグリーン車が存在しないため、「石北線特急のグリーン車」というのも完全に消滅したんですよね。どうせここから先は後面展望(下手すりゃただの最後尾席)ですし、乗り納めついでに移動してきました。

 

キハ183系グリーン車の最大の特徴、それはやっぱり「ハイデッカー構造」でしょう。元は特急「北斗」で使われていたキロ182形500番台を持ってくる形で2018年から組み込まれたようです。

座席も重厚感ある、かつ機能的な造りで、リクライニングを倒しながら曲面窓を見上げるとより一層の優越感に浸れます。頑張ったら北斗七星見えねえかな。

 

ここで3度目のセコマ紹介を。北見駅前店では簡単な夕食を調達したのですが、とくに興味があったのが「サッポロクラシック」と「京極の名水」です。

前者はもうこれ以上語ることはない(誉め)として、後者は羊蹄山の麓で採れた超軟水とのこと。他のPB商品の原料として使われるほど、馴染み深い商品なんだとか。ちなみに京極とは倶知安町の東に位置する京極町(きょうごくちょう)のことです。

 

デッキに来てみると、これまたキハ183系の栄華を忍ばせる設備が。というかさっきまでの暖色系とは打って変わって、えらい寒色系なことで…

カーテンに閉ざされた車販準備室と、誰が座んねんとツッコみたくなる補助席。いや、かつての寝台特急には必ず設置されていたらしいので、その当時の想いを馳せるためのマストアイテムでしょうか。

1979年に試作車が誕生、さらに1986年から本格運用が開始されてから約40年。過酷な環境の中、北の大地を走り抜けてきたその姿は、やっぱり心を打たれるものがありますね。最後の最後に乗ることができて良かったです。

 

列車は定刻通りに旭川に辿り着きました。ここからさらに函館本線を進むわけですが、網走から乗り通すと相当な長旅になるのはもはや自明。これでも上には上を行く特急がいるのだからまあ驚きです。

旭川市と言えば札幌市に次ぐ道内第2の都市、というイメージがありますが、その名は市内を流れる忠別川アイヌ語「チュプペ(太陽の川=日が昇る川)」を、日本らしく「旭川」と当て字したことに由来するそうな。ここに来て倭国蝦夷のハイブリットだとは…

 

本日のお宿は「ホテルメイツ旭川」、駅チカながらお手頃価格で泊まることができました。そして道中に何食わぬ顔で鎮座していたセコマ(ルートイングランド旭川店)で入手したのが、これまた北海道限定の「やきそば弁当」です。

四角いカップ容器が弁当箱を連想させる…え、あ、そういうことか。なんか腑に落ちんなあ…とりあえず中華スープ飲んでみっか…うわしょっぱっ。でも逆に美味い、なんか知らんけどソースと塩辛さが合う!!!背徳感も味わえて最高じゃねえか!!!

 

道産子の塩分過多に一抹の不安を覚えたところで、2日目は終了です。

次回からは3日目。どこへ行くのやら、ご期待ください。

ありがとうございました。

 

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