【過去録】ゆいレールを撮ってみーる
こんばんは。
FDAことフジドリームエアラインズが、今春から中部~高知の定期便を就航させると発表しました。ついにセントレアであのカラフルな機体が見られるのかとワクワクする一方、既存の小牧発着との両立は上手くいくのかと思ってしまいます(一応時刻はずらすようです)。
そんな飛行機つながり…というわけではないですが、実は昨年(2022年)9月末に1泊2日で沖縄に行っていました。目的はともかくして、その道中で沖縄県唯一の鉄道(?)を眺めてきましたので、ここではそれをご紹介していきます。
モノレールを鉄道と呼ぶか否かは議論が分かれるところですが、那覇空港駅からてだこ浦西駅へと至る全長17.0kmの沖縄都市モノレール「ゆいレール」は、その特異性からも一目置かれる存在となっています。
というのも、それまではクルマ社会だった沖縄に渋滞知らずな乗り物が導入され、かつモノレールという眺望性の良さからも一種のアトラクションとして認知されている現状があります。影響を考えれば、それほど画期的な「鉄道」だと言えるでしょう。
愛称のゆいレールは、相互扶助を意味する琉球方言の「ゆいまーる」に由来します。2003年に首里駅まで開業し、2019年にてだこ浦西駅まで延伸され、今後は混雑緩和のための3両化が進められるそうな。
こうして沿線で撮ってみると、跨座式ならではの開放感と2両というコンパクト感が、何となく本州と違うなあと思わせてくれる要因になっている気がします。まあモノレール自体そう滅多に見かけないんでね、観光地補正なのかもしれません。
首里城跡の高台から。もはや「ゆいレールを探せ」状態ですが、市街地をくねくね曲がりながら走る姿はモノレールならでは。ちなみに基本塗装は白とグレーのツートンカラーで、間に首里城をイメージした赤色の帯が入っています。
1000形のキーワードは「優・涼・景・清・軽」。車体そのものにも曲線を多用することで柔らかい印象を与えてくれます。その割には塩害対策や軽量化のために溶接構造やら台車の防音カバーやら、その機能性はバッチリなようです。
余談ですが、2023年度をめどに現在の2両編成から3両編成へと増車する計画があるそうで。一部の駅では3両に対応したホームドアの設置も行われており、いずれこの姿も見納めになりそうです。
当然と言えば当然ですが、起点の那覇空港駅は日本最西端の駅、そのお隣の赤嶺駅は最南端の駅となっています。それぞれに堂々たる石碑が設置されており、特に前者は島野菜の銀水大根(読み:カガンジデークニ)のブロンズ像がはめ込まれています。
東からの刺客が気になりますが、ゆいレールでは地元の交通系ICカードとしてOKICAが導入されている他、全国のICカードが片利用できます。
ただ、個人的に驚いたのはきっぷが磁気ではなくQRコードタイプだったこと。しかもその理由が「汗で湿ったきっぷが詰まる可能性があるから」とのこと。うーん何とも沖縄らしい…
せっかくなので延伸区間も乗ってみました。写真は終点のてだこ浦西駅、「てだこ」は沖縄の方言で「太陽の子」を意味するそうです。周りは本当に何もなく真っ暗でしたが、ドーム状の駅舎だけが太陽の如く煌々と光っていました。
クルマ社会と先述しましたが、今も昔もバスも公共交通機関の役割を担っています。ゆいレール開業後は旭橋駅の那覇バスターミナルやおもろまち駅などを交通結束点として、上手い具合に共存できないかを模索しているようです。
新たな終点となったここですら、やたら駅前は綺麗に整備されているもののバス停は分散している模様。今後の発展に期待したいところですな。
ちなみに車内は紅型(びんがた:沖縄の伝統的な染色技法)基調のロングシートが基本で、運転席後ろには前面展望が楽しめるクロスシートが設置されています。思ったより起伏が凄いので、宛らジェットコースター気分を味わえます。
到着前には沖縄音楽をアレンジした音楽が流れるのも醍醐味のひとつかと。県庁前駅の「てぃんさぐぬ花」が異様に馴染み深く感じたのは、JR大阪環状線の大正駅で聞き慣れているからでしょうか?
1000形(19) 〈各停 てだこ浦西〉 @小禄
ということでざっくりと撮り鉄をしてみたわけですが、場所が場所だけに滅多に狙える被写体でもないので色々と新鮮でした。沿線を歩けばもっと見応えのある構図を見つけることができる気がしますね。
もちろん観光客として利用する分にも、なかなか便利な存在であることには間違いありません。那覇中心部であればレンタカーが無くとも事足りますので、ぜひ「沖縄のジェットコースター」を利用してみてください。
以上、沖縄行ってきたついでにゆいレールも撮ってきたお話でした。ありがとうございました。