1/8 12年に1度の信貴準
こんばんは。
今日は成人の日ということで、実のところ中の人は今年で20歳なんです。世の中に出るということはそれなりの責任と信頼が伴うわけなので、それ相応の覚悟を持ってこれからの人生を満喫したいものです。とくに旅、旅をしまくりたい。これ本望。
さて本題へ。はよ〈九州旅〉を完遂したいところですが、鮮度を考えるとまあこっちのほうが優先かなと思いまして。近鉄のあの準急を狙ってきました。
2410系(W24) 〈9051 準急 信貴山口〉
2022年1月の三が日と成人の日を含む3連休の計6日間、大阪上本町発信貴山口行きの直通臨時準急が運転されました。
信貴山は、聖徳太子が戦勝祈願したときに現れた毘沙門天王を敬って「信ずべき貴ぶべき」場として名付けられたもの。そこに構える朝護孫子寺は醍醐天皇が病気回復のために現れた毘沙門天王を敬い「朝廟安穏・守護国土・子孫安久」の場として名付けられたものです。
2410系(W22) 〈9151 準急 信貴山口〉
そんな毘沙門天が現れたのがちょうど虎の年・虎の日・虎の刻だったことに因み、虎が信仰されているのが特徴です。奇しくも12年に1度の寅年、近鉄も気合いを入れて特製サボを掲出しての臨時列車というわけですな。
編成撮りもいいんですが、せっかくなので単線らしい写真を求めてレンタサイクルで信貴線沿線まで。この日は本当に良い天気だったので、高架を行く準急がけっこう映えました。
2410系(W24) 〈9251 準急 信貴山口〉
ところで1日3本運転されるんですが、列車ごとにサボが微妙に違うのも粋な計らいです。この日のラスト3本目はトラのイラストが描かれており、一番それっぽい柄になる気がします。
信貴線は1430系のツーマン運転が基本ですが、普段は入線しない2410系を就かせたというのもポイントが高い部分かと。ダイヤ的には大阪線内は臨時、信貴線内は元の各停を置き換える形で運転されました。
信貴線のデータイムは20分間隔、かつ全線単線なので山本で9分の時間調整が生じます。その間に上本町を7分後に発車した高安行き各停に追いつかれるという… まあ臨時なので大目に見ましょう。
2410系(W22) 〈1154 普通 河内山本〉
「元の各停を置き換えた」ということは折り返しもこの車両になるわけですが、まさかのこの列車もサボを使用するというプチサプライズ。2410系は稀に発生する代走に備えて専用幕を有しているものの、あえて白幕というね…
話が少しずれますが、2410系という車両自体もなかなかコアでして。というか2400系シリーズは大阪線の青山峠攻略に貢献したそこそこ凄い集まりでして、それを活かしてなのかあらゆる「生まれ変わり」を果たしている車両なのです。
2410系(W24) 〈1254 普通 河内山本〉
3本目だけは山本→信貴山口に乗れた(案の定というか、車内は何ら変わりなかった)ので、終点にてサボの交換シーンを見学。こういうスナップ写真が案外エモいんですよね。モザイク処理が面倒ですけど。
信貴線自体も初乗車だったんですが、まさに山の中に向かっていくという高低差を体感できました。信貴山口は1面2線で乗車・降車ホームとして使い分けることができるというのも、乗って初めて分かることでした。
コ7形(7) 〈ケーブル 高安山〉
せっかくここまで来たので信貴山にも登ることにしました。信貴山口からは西信貴鋼索線(ケーブル)で高安山まで向かうことができ、交通系ICカードも使えるという親切設計。もちろん参拝客を見込んで増発もなされていました。
生駒鋼索線と同じコ7形を使用していますが、こちらは2021年9月から復刻塗装として運行を開始。よく見ると臨時列車と同じトラのサボを掲出しています。これほんとデザイン良いですね、ホーム上の特設ブースでグッズ買っとけばよかったと軽く後悔…
定員170名というそこそこ乗れるようなそうでもないようなコ7形ですが、先端の天井はガラス張りになっているので眺望は抜群です。眼下に広がるのは大阪の街並み、これは信貴線の車窓からも拝めたので、それほど高い場所にいることが実感できました。
ケーブルカーの終点・高安山からは近鉄バスで信貴山門まで、そこから徒歩10分で本命の朝護孫子寺に到着します。生駒線の王寺や信貴山下からも奈良交通バスでアクセスすることができます。
「信貴線を走る準急」というのは、実を言えば過去にもイベントで何度か走ったことがありまして、さらに遡れば定期列車にも存在していました。
しかし今回は12年に1度の寅年にちなんだ特別な列車ですし、このご時世だからかあえて盛大的に運転されたような気がしました。これ12年後にも走ってくれるんですかね?期待したいところです。
以上、信貴線準急の撮影レポでした。ありがとうございました。