あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈8/8 岡山18きっぷ旅-3〉時代が錯綜する吉備線

こんばんは。

たった2人で居酒屋に行ったのに、レシートを見たら1万円越えで驚きを隠せない中の人です。そんなに呑んだか…?いや単価が高かったのかもしれません。誰だよプレミアムモルツとかバカ飲みした奴は…

 

さて本題へ。岡山地区を巡っていましたが、続いて気動車ゾーンへ向かうことにしました。さて選択肢は2つですが…

前回はこちらから。

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キハ47形(1022-2002) 〈750D 普通 岡山〉 @備中高松~吉備津

岡山から「吉備路」と呼ばれる観光エリアを通って総社へと至る吉備線は、全10駅・総距離20.4㎞の非電化路線です。ご覧の通り国鉄お馴染みキハ40・47形が蔓延っていますが、交通系ICカードが使えるあたりはさすが岡山都市圏内といったところ。

「桃太郎線」という愛称が名付けられている通り、ここら一帯で桃太郎伝説が生まれたとされる説が有力なようで。言われてみればきび団子の表記(黍と吉備)だったり、桃の産地だったりと思い当たる節はいくつかありそうです。

 

車内中央にはボックスシートが並び、屋根を見上げれば扇風機が回っていました。こんな路線ながら、なんと将来的には路面電車化してLRTに転換しようという計画があるんですよね。そうあの宇都宮で開業間近のアレです。

吉備線と同時に計画された富山港線は、2006年4月に無事にLTRとして復活し、今では富山地方鉄道の一部となっています。かく言うこちらは2018年に合意されて以降、新型コロナウイルスの一件で頓挫寸前の状態なんだとか。

うーん1時間に1~2本走っているとはいえ、LTRのように小規模輸送・高頻度運転に適しているかと聞かれれば微妙なところではないでしょうか。単なる「中断」らしいので、今後どうなるかに期待ですね。

 

キハ47形(2001-99) 〈749D 普通 総社〉 @足守

話を戻して、沿線には吉備津彦神社、吉備津神社最上稲荷などなど古代吉備王国関連の遺構が残るわけですが、この路線自体は高梁川の舟運連絡のために開通された路線です。後に伯備線が開業し、その連絡機能が衰退したことで現在のような参拝客輸送にシフトしていったわけですね。

放送前のチャイムも桃太郎の歌のアレンジなので、乗っても桃太郎感を味わえます。路線カラーも桃なのは良いんですが、個人的にはどうしても和歌山線を思い起こさせます(こっちは薄いピンクらしい)。

 

せっかくなのでどこかの神社にでも参拝したいところですが、「有名処はいつでも行ける」という謎理論をかましたおかげで、ふと降りた駅近くのひっそりとした神社を見つけることができました。

この生石(おいし)神社、確かに1200~1300年前から氏神様がお守りされている由緒ある地なんですが、さらに時を進めると備中高松城の戦い(1582年)のときに加藤清正が布陣した地でもあるそうです。そうあの水攻めのやつです。

戦国時代から見れば奈良時代は遠い昔の話でしたが、令和時代から見ればどちらも過去の歴史の話。まさか交わることのないようなエピソードがこうも結び付けられると、物凄く不思議な気分になりますねえ…

 

キハ40(3005-3001) 〈752D 普通 岡山〉 @備中高松~足守

こちらがその水攻め作戦のキーとなった足守川備中高松城の周りに堤を築き、そこに足守川の水を引き入れることで城・兵士諸々水没させたという、豊臣秀吉(当時は羽柴秀吉)と黒田官兵衛が編み出した奇策ですね。

そんな場所を昭和感漂う国鉄気動車が唸り声を上げながら走り去っていく…もうここは何時代なんでしょうか。下手すりゃ平成ですらなさそうですが、ちゃんと令和です。通りすがりのおじいちゃんとも談笑できましたし、時はきちんと流れていました。

 

総社0番のりばに到着。岡山へ行くなら伯備線の電車のほうが先着です。そういやここから井原鉄道なる三セク路線が出ているようですが、隣の清音までは乗り入れではなく重複区間となるようです。

複数の過去が入り乱れ、未来すらも大変貌を遂げるかもしれない吉備線。30分ちょいの短い路線なので、岡山旅ついでにぜひお越しください。

 

総社からは、伯備線を北に向かうことにします。

次回に続きます。ありがとうございました。

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〈8/8 夏の18きっぷ旅-2〉國鐵岡山オールスターズ

こんばんは。

久しぶりにOfficeのPowerPointを触りましたけど、使い勝手が良い反面「あれなにこの機能?」と首を傾げる瞬間がちょくちょくありました。こればかりは慣れなので仕方ないですが、かと言ってそこまで使う機会がないのが正直なところです。

 

夏の青春18きっぷ旅、和田岬線に寄り道した後、さらに西へと進みます。

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こちら電車線を走行する西明石行きの車内からです。奥に見えるのは世界最長級の吊橋として有名な明石海峡大橋、ということは舞子を過ぎた辺りということでしょうか。

「舞子」とは神戸市垂水区の南西部を指す地名で、明石海峡の潮が舞い込む(=廻い込浜)様から名付けられたそうです。明治天皇も愛するほどの保養地として長年親しまれ、その景勝っぷりに肖って各地に似た駅名が登場しました(近江舞子小舞子新舞子…)。

 

終点で新快速に乗り換えて姫路までやって来ましたが、そういや朝から何も食べていないことに気づきました。ふと横を見ると「えきそば」の文字が、こりゃあ駆け込むしかない。

まねきの「えきそば」は、和風だしのスープにかんすい入りの黄色い中華麺が入った、公式ですらミスマッチと認める姫路名物の立ち食い蕎麦です。好みの問題でしょうけど、これはある意味無性に食べたくなる味、東海地方民で言うスガキヤですね(多分違う)。

 

113系(B-11) 〈5732M 普通 岡山〉

姫路からは播州赤穂行きに乗り込んで、ドシャ降りの相生で岡山行きにお乗り換え。この区間山陽本線の中でも辛い区間だとよく言われますが、幸いながら睡魔に襲われてしまったので気づいたら岡山でした。

こうして人生初の「18きっぷで岡山にやってくる」体験はあっけなく終わったわけですが、ここ岡山こそが今回の目的地でございます。過去に数回来ているものの、全て乗り換えのために降り立っただけ。撮り鉄目的でちゃんと訪問するのは初めてです。

時間もないのでそそくさと進んで中庄で下車。この「瀬戸内地方の豊かな海に反射する陽光」をイメージした濃黄色…という口実を付けた、この国鉄型車両を狙いに来たわけです。

 

381系 〈1011M 特急やくも11号 出雲市

庭瀬~中庄の撮影ポイントへ向かいましたが、酷暑とボーボーの草で撮影意欲はダダ下がり。岡山~倉敷は山陽本線ですが伯備線の列車も乗り入れており、駅番号も重複しているくらいなので本数そのものは多いんですけどね。

多客期になると増結されるのがJR特急の醍醐味ですが、この特急「やくも」に使われる381系の場合、4両の基本編成に3両の付属編成をくっつけることで対応しています。後者はモハ+モハ+クハ、すなわち制御車が片側にしかないということで、気動車のような変態連結が拝めるわけです。

 

115系(D-21) 〈1834M 普通 播州赤穂

113系と同じような顔をして全然違うのが115系。色々とあるわけですが、目につきやすいのは前照灯の真横のタイフォンの形で、113系はお椀型と呼ばれているのに対して115系はシャッター型と呼ばれているそうです。

そして113系になくて115系にあるのが、その豊かなバラエティさ。かつての長大編成を持て余し、短縮化や中間車化改造を経た結果、切妻顔だの食パン顔だのフレンチトーストだの、沼という沼を生み出すことになりました。似たような現象は岡山だけでなく山口でも起こっています。

 

117系(E-09) 〈1731M 普通 糸崎〉

個性派揃いな國鐵岡山ですが、その中でも比較的(←ここ重要)原型を保つ正統派なのが117系です。激化する京阪神輸送に対応すべく、国鉄が1979年から導入した直流近郊型電車ですね。

かつては花形種別「新快速」に就いていたものの、その座から年々離れていき、岡山地区ではつい最近(2022年3月)まで受け持っていた快速「サンライナー」が種別ごと消滅。廃車も発生しているそうで、着実にその時が近づいているのも事実です。

 

213系(C-08) 〈852M 普通 西大寺

末期色…いや真黄色な電車がわちゃわちゃする中、爽やかな青帯を巻いているのが213系です。115系の置き換え用として、さらに開業ホヤホヤの本四備讃線(瀬戸大橋線)用として、先代211系ベースで製造された車両です。

まあこれも昔の話で、今はお手頃な1M方式であることとワンマン運転機能を有することが買われて、岡山を中心とした結構広い範囲で運用されています。専属から外れたのを踏まえると、これが出世なのか降格なのかが分かりませんね…

 

一通り撮影してきたものの、やっぱり曲者ばかりなのが嬉しいところです。上には上がいるんですが、真昼間で光線があまりよろしくないのでこの辺にしておくことにします。

次回に続きます。ありがとうございました。

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〈8/8 夏の18きっぷ旅-1〉手軽で貴重な和田岬線

こんばんは。

お天道様は大変ご気分を害されているようで、晴れていると思ったら急にゲリラ豪雨をぶちかましてくる今日この頃です。一体どうせえというんでしょうか、単位を落として絶望するこっちの身にもなってもらいたいものです。

 

さて本題へ。今夏もお馴染み「青春18きっぷ」を購入しましたので、当分の間はその1回目の様子をお届けしようと思います。日帰りということで、果たしてどこまで行けるのでしょうか…

 

今回のスタートは関西線と草津線が乗り入れる柘植でございます。JR西日本の単独駅ですが住所は三重県伊賀市で、関西鉄道によって1890(明治23)年に開業した「三重県で最初に作られた駅」なんですね。

三重県民が関西地区へ向かう場合、大抵が近鉄、お金があれば新幹線、時間があれば高速バスといった感じでしょうが、「JRで」「1本で」向かおうとする場合は柘植6:34発の大阪行き(5327M)を使えば乗り換え無しで京阪入りすることができます。

そう考えると、こんな山奥(という割には住宅はそこそこありますが)でも大阪近郊区間の一員なのだから、鉄道ってホントに偉大ですよね…

 

ちなみに伊賀上野の玄関口ということで、跨線橋の壁やコンコースには忍者がへばりついています。大和路線→関西線だけでなく、ちゃんと草津線からのアプローチ客にも配慮している親切設計。

5:05発の始発(5321M)に乗り込み、ちょこまか乗客を拾いつつ草津に到着。新快速はまだ来ないので、京都から快速に変わる姫路行き(707M)に乗り換えました。座れたのを良いことに、すぐに夢の中へ…京都…大阪…そして三ノ宮も通過してしまいます。

 

起きたら神戸だったので焦りましたが、その次の駅の兵庫で下車。本来の目的地ではありませんが、寄り道ということで和田岬線にやって来ました。兵庫から2.7km先の和田岬までの、たった1駅間の山陽本線の支線ですね。

東武大師線名鉄築港線のように分岐駅で集札を行うスタイル、朝夕の通勤時間帯のみの運転(昼間はなし)なども特徴的ですが、やっぱり注目したいのは使用車両が103系であること。

その中でもR1編成と呼ばれるこの専属車両は、2001年の和田岬線電化と同時にやって来たそうで。延命工事を受けただけでなく乗務員訓練に使えるような設備も追加され、ある意味オンリーワンな存在として、ちょっとした余生を送っています。

 

103系(R1) 〈529M 普通 和田岬

さて短い路線なので線路沿いを歩きながら撮影していきます。まずはストレートで編成写真を狙える明和通踏切から。もう言わずと知れた有名ポイントで、お隣には川崎重工業の兵庫工場も位置しています。

こうして見ると、方向幕の黒ゴム(延命工事)とやたら多いワイパー(訓練用)が一味違う103系感を醸し出させていますね。運番表示器は「10T」をずらして固定させることで「101」(明支101運用)に見えるようにしているという小ネタも、この車両ならではの特徴です。

 

103系(R1) 〈530M 普通 兵庫〉

続いて材木橋から、兵庫運河を渡る和田旋回橋とともに。山陽鉄道が建設した日本最古かつ最初の旋回橋ということで、土木遺産にも認定された歴史ある遺構です。まあ三重県民の自分からすれば、同じ可動橋の末広橋梁を思い起こさずにはいられないんだよなあ…

 

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末広橋梁はバリバリ現役(厳密には跳開式なので仕組みはちょっと違う)ですが、こちらは回転機構が撤去されたために終日固定とのこと。それが仇となって船舶の交通を妨げるとして、神戸市から路線廃止の要望を出されたこともあるそうです。

 

103系(R1) 〈531M 普通 和田岬

ノエビアスタジアム神戸を構える御崎公園を過ぎ、ちょっと脇道に逸れると笠松商店街に迷い込んでしまいました。地元民と工場通勤客とサッカーファンしか知らないような穴場スポットが所々転がっている…らしいです。

ちなみについ最近、「笠松商店街」と書かれた入口のアーチが撤去されてしまったそうです。それどころか夜道を照らす外灯も消え去ったそうで、従来の高齢化に加えてコロナ禍という、商店街の厳しさを如実に表しているような気がしました。

 

103系(R1) 〈532M 普通 兵庫〉

終点・和田岬付近です。神戸市営地下鉄海岸線も乗り入れてくるので、別に廃線になっても困りはしないでしょうけど、JR側からすれば黒字路線をわざわざ手放す理由がありませんからね。

1面1線のシンプル構造で、バス停みたいな屋根とファミリーマートと駐輪場があるくらいです。先述の通り集札機能は兵庫で行うので、確かにこんなもんで十分です。

 

車内はというと、過去に大阪環状線奈良線羽衣支線で見た濃紺モケット基調のシートが並んでいます。特殊なポイントと言えば、広告の類が一切掲示されていない点や連結部の扉が固定されている点などですかね。

ぼーっとしているとすぐに兵庫に到着。来るのも乗るのも撮るのもお手軽、それなのに貴重な光景にたくさん出会える、類を見ない高コスパ路線でした。207系の代走とかだとまた景色が違うんでしょうか、気になる所です。

 

あくまでも和田岬線は寄り道、目的地に向けてまだまだ西へ進みます。

次回に続きます。ありがとうございました。

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