あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈8/8 夏の18きっぷ旅-1〉手軽で貴重な和田岬線

こんばんは。

お天道様は大変ご気分を害されているようで、晴れていると思ったら急にゲリラ豪雨をぶちかましてくる今日この頃です。一体どうせえというんでしょうか、単位を落として絶望するこっちの身にもなってもらいたいものです。

 

さて本題へ。今夏もお馴染み「青春18きっぷ」を購入しましたので、当分の間はその1回目の様子をお届けしようと思います。日帰りということで、果たしてどこまで行けるのでしょうか…

 

今回のスタートは関西線と草津線が乗り入れる柘植でございます。JR西日本の単独駅ですが住所は三重県伊賀市で、関西鉄道によって1890(明治23)年に開業した「三重県で最初に作られた駅」なんですね。

三重県民が関西地区へ向かう場合、大抵が近鉄、お金があれば新幹線、時間があれば高速バスといった感じでしょうが、「JRで」「1本で」向かおうとする場合は柘植6:34発の大阪行き(5327M)を使えば乗り換え無しで京阪入りすることができます。

そう考えると、こんな山奥(という割には住宅はそこそこありますが)でも大阪近郊区間の一員なのだから、鉄道ってホントに偉大ですよね…

 

ちなみに伊賀上野の玄関口ということで、跨線橋の壁やコンコースには忍者がへばりついています。大和路線→関西線だけでなく、ちゃんと草津線からのアプローチ客にも配慮している親切設計。

5:05発の始発(5321M)に乗り込み、ちょこまか乗客を拾いつつ草津に到着。新快速はまだ来ないので、京都から快速に変わる姫路行き(707M)に乗り換えました。座れたのを良いことに、すぐに夢の中へ…京都…大阪…そして三ノ宮も通過してしまいます。

 

起きたら神戸だったので焦りましたが、その次の駅の兵庫で下車。本来の目的地ではありませんが、寄り道ということで和田岬線にやって来ました。兵庫から2.7km先の和田岬までの、たった1駅間の山陽本線の支線ですね。

東武大師線名鉄築港線のように分岐駅で集札を行うスタイル、朝夕の通勤時間帯のみの運転(昼間はなし)なども特徴的ですが、やっぱり注目したいのは使用車両が103系であること。

その中でもR1編成と呼ばれるこの専属車両は、2001年の和田岬線電化と同時にやって来たそうで。延命工事を受けただけでなく乗務員訓練に使えるような設備も追加され、ある意味オンリーワンな存在として、ちょっとした余生を送っています。

 

103系(R1) 〈529M 普通 和田岬

さて短い路線なので線路沿いを歩きながら撮影していきます。まずはストレートで編成写真を狙える明和通踏切から。もう言わずと知れた有名ポイントで、お隣には川崎重工業の兵庫工場も位置しています。

こうして見ると、方向幕の黒ゴム(延命工事)とやたら多いワイパー(訓練用)が一味違う103系感を醸し出させていますね。運番表示器は「10T」をずらして固定させることで「101」(明支101運用)に見えるようにしているという小ネタも、この車両ならではの特徴です。

 

103系(R1) 〈530M 普通 兵庫〉

続いて材木橋から、兵庫運河を渡る和田旋回橋とともに。山陽鉄道が建設した日本最古かつ最初の旋回橋ということで、土木遺産にも認定された歴史ある遺構です。まあ三重県民の自分からすれば、同じ可動橋の末広橋梁を思い起こさずにはいられないんだよなあ…

 

naroaru.hateblo.jp

 

末広橋梁はバリバリ現役(厳密には跳開式なので仕組みはちょっと違う)ですが、こちらは回転機構が撤去されたために終日固定とのこと。それが仇となって船舶の交通を妨げるとして、神戸市から路線廃止の要望を出されたこともあるそうです。

 

103系(R1) 〈531M 普通 和田岬

ノエビアスタジアム神戸を構える御崎公園を過ぎ、ちょっと脇道に逸れると笠松商店街に迷い込んでしまいました。地元民と工場通勤客とサッカーファンしか知らないような穴場スポットが所々転がっている…らしいです。

ちなみについ最近、「笠松商店街」と書かれた入口のアーチが撤去されてしまったそうです。それどころか夜道を照らす外灯も消え去ったそうで、従来の高齢化に加えてコロナ禍という、商店街の厳しさを如実に表しているような気がしました。

 

103系(R1) 〈532M 普通 兵庫〉

終点・和田岬付近です。神戸市営地下鉄海岸線も乗り入れてくるので、別に廃線になっても困りはしないでしょうけど、JR側からすれば黒字路線をわざわざ手放す理由がありませんからね。

1面1線のシンプル構造で、バス停みたいな屋根とファミリーマートと駐輪場があるくらいです。先述の通り集札機能は兵庫で行うので、確かにこんなもんで十分です。

 

車内はというと、過去に大阪環状線奈良線羽衣支線で見た濃紺モケット基調のシートが並んでいます。特殊なポイントと言えば、広告の類が一切掲示されていない点や連結部の扉が固定されている点などですかね。

ぼーっとしているとすぐに兵庫に到着。来るのも乗るのも撮るのもお手軽、それなのに貴重な光景にたくさん出会える、類を見ない高コスパ路線でした。207系の代走とかだとまた景色が違うんでしょうか、気になる所です。

 

あくまでも和田岬線は寄り道、目的地に向けてまだまだ西へ進みます。

次回に続きます。ありがとうございました。

naroaru.hateblo.jp