あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈9/2 変わる九州旅-9〉カオスな天神からエコな香椎線へ

こんばんは。

さて12月、もう分かりきったことですけどとりあえず言っときます。

「今年が終わるまで1か月切ってもうたあああぁぁぁぁぁ」

 

さて本題へ。長崎→博多で「かもめ」グリーン車に乗って、天神で一泊しました。いよいよ最終日の3日目に突入します。

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そういやホテルまでの道中にこんな宣伝スペースが。地下鉄七隈線天神南から1.4km先の博多までつながるということで、2023年3月27日の開業に向けて着々と工事が進んでいる最中ですね。

2016年の陥没事故があったとはいえ、なんとかここまで漕ぎ付けたといったところ。空港線の天神~天神南乗り換えは地味に遠いので、それが改善されるだけでもなかなか魅力的な気がします。薬院乗り換えで西鉄沿線~博多の移動も改善されそうです。

 

地上に出てきまして、こちらは西鉄バスの天神中央郵便局前停留所でございます。最終日は鉄道ではなくバスから始まります。

九州最大の繁華街とも呼ばれる天神地区ですが、バスのりばはあちらこちらに散乱しているのが現状です。「天神」と名の付く停留所は23か所、さらにA~Cのりばに分かれている箇所もあるのでまあ分からんのなんの。

しかも全てが他会社ではなく同じ西鉄バスなのだから、余計にタチが悪いです。逆に慣れたら便利そうですが、もうそれただの福岡県民ですやん。

 

あらゆる行先のバスが絶え間なく滑り込んでくる中、1時間に1本の21A系統・志賀島小学校前行きに乗車。そして数分後、何のためらいもなく都市高速に突っ込んでいきました。待て待てシートベルト付いてねえぞ、なんなら立ってるお客さんもいるんだぞ…

というのは冗談で、都市高速は厳密には自動車専用道路にあたるため、「都市高速を走る距離と時間が路線の半分以下」「時速60km/h以下を遵守」「前後にステッカーを貼る」等の処置を取れば、路線バスも特例で認められるそうです。

 

参考までに、過去には名古屋でも走ってました↓

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都市高速区間は10分少々といったところ、後は下道を走るごく普通の路線バスでした。郊外行きなのに途中のバス停から乗ってくるお客さんも多く、日常生活の一部として重宝されているのがよく窺えました。

天神から約50分乗り続け、西戸崎駅前停留所で下車。バス自体はこの先も走り続け、小学校の社会の教科書で一度は見たであろう「志賀島」へと向かいます。鉄道空白地帯と繁華街をダイレクトで結べるのも、バスの醍醐味ですな。

 

ということで歩いてすぐの場所にある、JR香椎線の起点・西戸崎に到着しました。ここから鹿児島本線と接続する香椎を通って宇美まで向かう、全16駅・25.4kmの路線です。西戸崎~香椎は「海の中道線」なる愛称もあったりするそうな。

ちなみに「海の中道」とは九州本土と志賀島をつなぐ陸繋砂州(トンボロ)のことで、香椎線と県道59号(先程の西鉄バスも経由)が真っすぐ通っています。風光明媚な場所でもある他、九州初の国際飛行場だった雁ノ巣飛行場もこの一角にあったようです。

 

数分すると、非電化路線に似つかわしくないほど静かに列車が滑り込んできました。こちらは2019年3月から運行を開始したBEC819系でして、愛称は「Dual Energy Charge Train」から取って「DENCHA」、まあ要するに蓄電池電車です。

車両自体は2016年から若松線で運転を開始してまして、主に福岡近郊路線に波及しているといった感じでしょうか。最近ですと、まさにこの区間で自動運転の実証実験を始めたそうで、今もなお進化が止まらない車両でございます。

 

車内のMSV(マルチサポートビジョン)では蓄電池のエネルギーで稼働していることをアピールしていました。香椎の電化設備でパンタグラフを通じて充電し、そのエネルギーで非電化区間を走るというわけですね。律儀に回生ブレーキも備わっています。

ちなみにこのMSVの背景はマリンワールド海の中道でしょうか。ということは運用路線によってこのイラストは変わるんですかね。ちょっとした遊び心も忘れていないのがJR九州です。

 

よくよく考えたらこれは「電車」なので、別に非電化区間でなくとも電化区間でも走れるわけで、事実福北ゆたか線での運用もあるようです。なんか不思議な気分ですが、これで環境への負荷を減らせているのだからなかなか画期的ですよね。

折り返しの香椎行きに乗ってみると、やっぱり走行音は電車そのもの。いやだからこれは電車なんだから当たり前なのですが、これが次世代車両か…と思うともっと普及してもいいような気がしました。やっぱコストがネックかな…

 

次回に続きます。ありがとうございました。

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〈9/1 変わる九州旅-8〉最後はかもめグリーン車の旅

こんばんは。

年末にとある用事で東京行きが確定してしまったわけですが、その移動手段を考えてる中の人です。18きっぷでもいいですし、高速バスでもいいですし、新幹線でもいいですし…他の面白い方法はあるんでしょうか?

 

さて本題へ。シンプルに言えば、長崎から博多へ帰ります。

 

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往路は特急「かもめ」だったので、復路はライバルの高速バス「九州号」…というわけでもなく、やっぱりこちらにお世話になります。当時の38号に充当されていたのは白い885系でした。

ちなみにですが、特急と高速バスとで所要時間はほぼ互角の2時間前後で、運賃も最安値はともに2550円(前者は九州ネット早特3/普通車指定席、後者はWEB回数券)というなかなかの接戦具合。新幹線開業で今は運賃面に差が付いたようですね。

地味にこの「九州号」はスーパーノンストップ便と各停便が存在するのが面白いところ。それぞれ座席指定制と時間指定制と書いてありますが、はてその違いは?

 

行きの787系は普通車でしたので、帰りは奮発してグリーン車へ。まあ先述した「九州ネット早割3」を使っているのでそこまで腹は痛んでいません。

885系の場合は普通車ですら革張りモケットが使用されているので、グリーン車でこの座席を見たところでそんなに驚きはしません。この前提自体が凄いというか、アウトレット品を流用することで実現させたのだから、その力の入れようが伝わります。

ではどこで差別化が図られているのかと聞かれれば、やはり半室構造での1+1+1列の配置でしょうか。それぞれ独立した空間を確保させることで、どこか異質な雰囲気を醸し出していました。

 

ただ、ネットを見る限りでは評判はあまり芳しくないようで。デザインに全振りしかけただけに、肘掛けに収納されたテーブルを広げてみるとまあ小さいこった。そして座席から地味に距離があるというのもなんだかなあ。

また、九州各地の曲線に耐え得る振り子式電車でもあるため、皮張り座席の場合は座っているだけで結構滑ります。致し方ないとはいえ、これは致命的なのでは…

あ、旅のお供は西九州新幹線開業を記念したアサヒスーパードライ、チャイデリカの駅弁「紫陽花」、そして中嶋屋本店の「うに豆」でございます。

 

探検がてらフリースペースへ。いわゆる車販準備室の名残なのかは分かりませんが、こうした空間がデッキに残っているのも「特急列車に乗ってるんやなあ」という感覚を味わえる醍醐味なのかもしれません。

この後は1日の疲れが押し寄せてきたのか酒が回ってきたのか、はたまたあんだけ言っておきながらグリーン車の乗り心地にやられてか、終点・博多手前まで爆睡。最後の特急「かもめ」はこうして一瞬にして幕を閉じたのでした。

 

博多に戻ってきましたが、何を思ってか少し離れた天神に宿を取ってしまいました。酔い冷ましの散歩をしつつ、天神南に程近い「福岡アルティ・イン」に到着しました。やたら綺麗な気がしましたが、多分そんなもんです。

 

 

ということで特急「かもめ」に乗ったり撮ったりする様子をお届けしてきました。まさかここまで追いかけることになろうとは思いもしませんでしたが、博多と長崎を結ぶ重要な特急列車であったことは十分に感じ取ることができました。

期待と不安が入り混じる西九州新幹線、ぜひとも乗りに行ってみたいところ。「かもめ」の意志を受け継いでいるだけに、そこは素直に今後の楽しみとしておきます。

 

3日目(最終日)に続きます。ありがとうございました。

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〈9/1 変わる九州旅-7〉最後の特急かもめ撮影記・後編

こんばんは。

Twitterのトレンドに「JR東海」とあったので何事かと思えば、今後の取り組みをまとめた資料が話題になったようです。覗いてみると、3両以上でのワンマン化に全線でTOICA導入…ええマジで?あの津駅でも使えるようになんの?ええマジで?えええ?

 

さて本題へ。特急「かもめ」撮影記、もはや2か月経ちましたが構わず続けていきます。記事中の列番は2022年9月ダイヤ改正前のものなので悪しからず。

前回の様子はこちらから。

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885系 〈2024M 特急かもめ24号 博多〉

ポイント的には多良~肥前大浦、破瀬の浦(こっちは石へん+皮)地区の高台からの俯瞰です。結構色んなアングルで撮れる場所なようで、奥に見える波瀬ノ浦(こっちはさんずい+皮)橋からでも眺めが良さそうです。

有明海ならではの入り江を通過する長崎本線ですが、カーブが多いとはいえ山をぶち抜いたり橋を架けたりとなかなかアクロバティックな線形をしているような気がします。

歴史的に見ても、この区間は昭和時代初期に建設された有明線が母体(鳥栖~佐賀、諫早~長崎などは明治時代に建設)なので、遠い目でみれば比較的新しめということが分かりますね。

 

787系 〈2023M 特急かもめ23号 長崎〉

続いて長崎行きのかもめ。7両だとギリギリ入らないようですが、これはこれで飛び出している感があって良さげな気がします。というか787系って基本は6両で、7両に増えたり4両に減ったりとやたら抜き差しが多い車種なんですね。

今でこそ新幹線にグランクラスが登場したものの、かつてのグリーン車の上位互換といったらDXグリーン車なんでしょう。豪華な座席サービスだけ…と割り切ってしまうとアレですが、特急需要が多い区間なので何かしらの遊び心があったのかもしれません。

 

集落に戻ってきまして、次なるポイントに移動しようとした瞬間、まさかのYC1系が佐賀方面へと走り去っていきました。普通列車は上下ともに数時間後ですし、そもそもYC1系は長崎県内のみの運用なのでここは通らないはずなんですが…

調べてみると結構な頻度で試運転を行っているらしく、本格導入のための準備段階なのではと予想する声がそこそこあるようです。となるとわざわざリニューアルされたキハ47系の処遇は?と疑問が増えることになるので、これまた気になるところです。

 

787系 〈2025M 特急かもめ25号 長崎〉

さてラストも同じく多良~肥前大浦より、コンテナの積み下ろしに使うガントリークレーンが目立つ構図で狙います。海というより港らしさ満載ですが、これもまたこの場所ならではの光景ということで。

ところでここで初めて日差しが出てきたんですが、同時に雨も降ってくるという「狐の嫁入り」状態での撮影でした。結局のところ晴れカットは1枚もなく九州を旅立つことになったものの、車体の色的に曇りのほうが良かったので結果オーライ…なのか?

 

撮影を終え、こちらは長崎市内のゆめタウン前で信号待ちの様子。ふと案内標識に目をやると、「佐世保」「県庁」に続いて「長崎駅(西口)」も記載されています。しかもそのピクトグラムは新幹線でした。

まだ開業もしていないのに早々に交換されたようですが、長崎県民に「長崎駅は新幹線が来る場所」という事実が定着するのにはどれほど掛かったんでしょうか。賛否どうこうというよりは、驚きでなかなか慣れんような気がしますな。

現に三重県民の中の人も、ホントに亀山にリニアが来んのかよと半信半疑でございます()

 

無事にカーシェアを返却していろいろ買い込みつつ、いよいよ最後の特急「かもめ」イベントへと参ります。

次回に続きます。ありがとうございました。

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