あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈6/20 久々青空フリパ‐4〉気動車です、ゆとりーとライン

こんばんは。

今日は七夕…というか雨ですね。ここ例年雨ばかりなような気がしたので調べたところ、2020年も2019年も夕方以降は雨でした。天の川もへったくれもありませんが、一部地域では1年越しに会えたことを喜んだ2人の涙が「催涙雨」となって降り注いでいるという考え方もあるんだとか。いやもう天気なんてどうでもいいやん…

 

さて本題へ。211系10連なりCL6連なりを撮りながら、高蔵寺に戻ってきました。JRと愛知環状鉄道が乗り入れるニュータウンの玄関口ですが、実はもう一路線(?)乗り入れていることをご存じでしょうか。

前回はこちらから。

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ここからは世にも珍しい「ガイドウェイバス」で運行される「ゆとりーとライン」に乗車していきます。郊外では一般道路を、都市部ではガイドレールを装備した専用軌道を走行するという、バスと鉄道の良いところを取ったような乗り物ということですね。

運行主体は名古屋ガイドウェイバスですが、そもそも名古屋市営バスの代替路線という側面もあるため、全便において名古屋市交通局が運転業務に当たっています。かつては名鉄バスジェイアール東海バスも担当していたそうな。

路線名については、渋滞の影響を受けない専用軌道を使うことで定時性が期待でき、その「ゆとり」と「ストリート」を掛け合わせたとのこと。

 

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高蔵寺を出発し、しばらくは普通の路線バスのように平面区間を走ります。そして途中の小幡緑地(おばたりょくち)には「モードインターチェンジ」が設けられ、ここで高架区間を走るための設備準備がなされるわけです。もちろん一般車両は進入禁止なので、バス通過時以外は遮断器で閉鎖されています。

ここからがこの路線の見どころで、車両の前後輪そばに取り付けられた案内装置がレールに沿ってスライドするように走ります。原理的にはトロリーバスのような、でも全く違うという、やっぱり世にも珍しい「新交通システム」というわけですね。

 

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高架区間での乗務員によるハンドル操作は不要で、速度調節と安全確認による運転を行います。また停留所ではなく駅になるため、「コンコース」や「無人駅」、「乗り換え路線」という概念が生まれてきます。

標識・駅接近時の指差喚呼といい、乗客の有無に関わらず必ずドアを開閉する様子といい、さすがに完全なバスとは呼べなくなってしまいました。先述の通りトロリーバスに通ずる部分もあるため、乗務員は大型二種免許と無軌条電車運転免許を有しています。

 

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乗務員の仕事っぷりもなかなか見応えがありますが、外に目を向けるとまあ景色が良いことで。最高時速は60km/hなので高速道路並みの爽快感は保障できないものの、どっからどう見ても路線バスな車両が開けた視界の中を進むのは楽しいものがありました。

守山区の志段味地区は地形の制約から交通渋滞が激しく、公共交通機関を設けようにも地下鉄やリニモだと過剰、ただのバスだと不足という課題がありました。それを解決するために2001年3月に開業したのがゆとりーとラインというわけですな。

 

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各駅で徐々に乗客が増え、立ち客も出るほどに。地下鉄名城線と接続する砂田橋ナゴヤドーム前矢田で少々降ろしつつ終点の大曽根に到着しました。これはプラットホームと言うんでしょうか、何かアトラクションの搭乗口みたい…ハイテンションで「いってらっしゃ~い!!!」とか言われても違和感ねえよ…

ちなみに名古屋市営バスといえば各停留所の時刻表に「営業係数(100円稼ぐのにかかる費用)」が記載されていることが特徴的ですが、このゆとりーとライン全体では2019(令和元年)度で123とのこと。やや赤字といったところですが、即廃止レベルではない(というか市営なのでそんなことしたら末期)のでこれからも奮闘してもらいたいですな。

 

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そういや車両の紹介を忘れていました。ほとんどがGB-2110型気動車で運転されており、機器類の関係でツーステップ(車いす等はリフトで対応)というあまり優しくない仕様です。ディーゼルエンジンで走るので電車ではなく気動車扱いとなり、厳密に言えば「無軌条気動車」ということになります。

ゆとりーとラインは前々から乗ってみたいと思っていたので、偶然にも高蔵寺発着便があることに気づいたときは驚きました。今のところ日本で唯一ですし、ギリ「鉄道」と言えなくもないので、よければ乗りにいらしてみてはいかがでしょうか?

 

ということで次回に続きます。ありがとうございました。

 

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〈6/20 久々青空フリパ-3〉10連211系と高蔵寺カーブ

こんばんは。

大学にパソコンを持っていくと度々起こるのが「電源コンセント問題」。限られた場所しか設置されていないの必然的に争奪戦になるわけですが、一番厄介なのがそこにコンセントがあることを知らぬままその席を使っている人なんですよね。そのせいでどれだけの人が「ああ…」ってなったことやら、と器の小さい愚痴を流しておきます。

 

さて本題へ。美濃赤坂線に浸りつつ、名古屋まで戻ってきました。ドトールで一服していると、ちょうどいい時間にちょうど撮りたい運用があるようなので中央西線に赴くことにしました。

前回はこちらから。

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とその前に唐突の飯テロを仕掛けておきましょう。JR名古屋駅と言えば在来線・新幹線ホーム上に合わせて7店舗存在するきしめん&そば屋「住よし」ですが、このワンコインきしめんはどこの店舗か分かりますかね…?

こちら、机がやたら新しめな木目調なので5・6番ホーム(東海道線下り)の店舗でございます。かつてはホーム上から直接立ち食える超オープンカウンタースタイルでしたが、2013年にリニューアルされた際に大分雰囲気が変わったようです。

個人的には関西線に最も近い10・11番ホームによくお世話になっている…というか実際どこも変わらんだろという考えなので「どこでもいい」んですが、やはり新幹線ホームだと味が違うんでしょうか?少し気になってきましたねえ~

 

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211系(K19)+211系(K106)+211系(K101) 〈5724M 快速 名古屋〉

そんな独り言はともかく、鶴舞にてお目当ての「211系オンリーの10連快速」を狙いました。311系と同じく新型車両315系の置き換え対象になっているものの、そうも感じさせない活躍ぶりなんですよね。何せトイレ付き(なお4両に限る)オールロングシートなのが使い勝手がいいんでしょう。

平日ラッシュ時ならまだしも日曜正午に10両快速をぶち込んでくる運用、しかも中津川始発ということで需要と供給のバランスが崩壊している気がしなくもない… 1時間に1本はこの東海道線顔負けの長大編成が来るので、驚きもへったくれもありませんな。

 

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211系(K19)+211系(K106)+211系(K101) 〈3135M 普通 高蔵寺

折り返しは高蔵寺ダラなので、先回りして春日井~神領の春日井踏切にて。逆光ですがなんとか収まりましたし、駅からもそこそこ近い(場所が分からず遠回りしてしまいましたが)ので、ここで増結「しなの」とか狙ってみると面白そうです。

湘南色をまとった211系はここ以外にも群馬~栃木あたりでお目に掛かることができるようですが、いずれもローカル線なので(と言ったら失礼かもしれませんが)、自分が想像している以上にはなかなか貴重な組成なようですね。

 

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211系(K4) 〈3636M 普通 名古屋〉

後続の多治見行きでさらに進んで、都心直通タイプの秘境駅・古虎渓に降り立ちました。確か過去に一度来たことがある…と思ったら、一つお隣の定光寺だったようです。まあ雰囲気は似たようなもんですけどね。

当時の記事がありました(ちゃっかり旧ブログの宣伝)

ace22600.hatenablog.com

この時も青空フリーパスを買っているようです。名古屋地区を周る分には下呂紀伊長島米原豊橋(二川)まで行けちゃうので青春18きっぷと遜色ない、いや特急券を買えば特急にも乗れるので非常に使い勝手の良いきっぷだと思っています。個人的には最寄の伊勢鉄道にも乗れるのが本当にありがたい。

 

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 383系(A3) 〈1010M 特急しなの10号 名古屋〉

3年前の自分はこの後に鶴舞で遅延に巻き込まれたようですが、そんなデジャブが起こることもなく、続いて定光寺高蔵寺は錦跨線橋のS字カーブへ。よく見る構図ですし、駅からは近いものの場所がすこぶる分かりにくいのなんの。先客が1人いらしたのでご挨拶しましたが、その方も初めて訪れたらしく入口を探し回ったそうです。

終始6両編成な「しなの」だったので何だか面白みに欠けてしまうのが残念なところでした。このご時世なのでこれが適正なんでしょうが、ちょうど1か月前くらいに松本発着の臨時便も運転を取り止めるほど打撃を受けているんでしょう。白馬発着なんて最初から設定されませんでしたし。

 

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313系(8000番台/B201)+313系(8000番台) 〈5732M 快速 名古屋〉

セントラルライナーの8000番台6連快速がご登場。配色といい車内設備といい転落ストーリーといい、他の車両とは一線を画す独自性が結構好みです。車両数の問題で朝夕の運用が中心なので、タイミングがあえばラッキーといった感じですな。

「最短4両から最長10両」「ロングシートからテーブル付きやや広クロスシート」という格差もへったくれもないのが中央西線を走る列車の特徴です。バラエティに欠けるだの無機質だので罵られるJR東海ですが、案外そうでもなかったりするのかもしれません。

 

2本で切り上げて、またまた都心方面へ戻ります。ありがとうございました。

 

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〈6/20 久々青空フリパ‐2〉ながらのプチ秘境・美濃赤坂線

こんばんは。

今日(7月3日)はソフトクリームの日だそうです。1951(昭和26)年のこの日に、日本で初めてのコーン型のソフトクリームが販売されたことを記念して制定されたそうですが、コーン型って言ったらスガキヤのあのソフトクリームしか勝たん気が…いやすいません誰も分かりませんねこんな地方ネタ。

  

さて本題へ。カラフルな311系を狙ったり失敗したりしながら、今は無き臨時夜行快速「ムーンライトながら」の発着駅・大垣にやって来ました。個人的には初乗車となる、あの路線に乗りに来た次第です。

前回はこちらから。

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313系(3000番台/R112) 〈3709G 普通 美濃赤坂

大垣駅の奥の方に位置する3番線からは、東海道本線の支線である美濃赤坂線が発着しています。全長5.0km…といってもこの先の南荒尾信号場までは東海道線との重複区間なので実際は1.9kmになるわけですが、2両編成のワンマン電車が1~3時間おきに行ったり来たりしています。

大垣以外の荒尾、美濃赤坂には駅番号が設定されておらず、ICカード乗車券も使えません。3番のりばのほぼ全ての柱に「赤坂線はTOICAエリア外」という注意書きが貼られていたのですが、それほど認知されていないのでしょうか(いやその前にそんなに利用者がいるのか…)

 

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大垣を発車して3分ほどで、唯一の途中駅である荒尾に到着。多数の留置線がある九州のほうとは違い、写真では伝わりづらいながらもカーブ上に設けられた静かな無人駅でした。なんなら真横の東海環状道・大垣西ICのほうが断然立派です(おい)。

ちなみに「支線の駅あるある」かもしれませんが、ホームがやたら長いのはかつて東京発の大垣夜行美濃赤坂を終着としていた名残です。後に大垣止まりになった後も、本線直通の区間快速や新快速が乗り入れたそうですが、現状を見る限りでは果たしてどこまで需要があったのやら。

 

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さらに3分経つと終点・美濃赤坂に到着します。旅客線としてはここまでですが、この先は西濃鉄道市橋線(貨物線)が分岐しており、金生山(かなぶやま)から産出される石灰石の輸送手段として1日2~3往復程度の貨物列車が走っているとのことです。

そもそも「西濃鉄道」とは大垣市で貨物鉄道を経営する企業で、同じく大垣に路線を持つ樽見鉄道筆頭株主となっています。どうしても「西濃運輸」との関係性が気になりますが、本社が美濃の西武に位置すること以外は全くの無関係とのことです。

現在は美濃赤坂から猿岩までの市橋線のみですが、かつては昼飯(ひるい)線も有していたんだとか。前者に至っては旅客営業を行っていた過去もあり、国鉄気動車が初めて他社に乗り入れた路線という称号もあったりします。

 

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駅舎は1919(大正8)年当時から使われている切妻屋根の平屋。真新しい点字ブロック自動販売機、ポストを除けば、木材剥き出しのなかなか趣深い佇まいでございます。

待合室には駅ノートも設置されているほどなのでさぞかし秘境…かと思いきや、2019年度の乗車人員が301人だということから察するに、一定数の生活利用はあるようです。実際この時も大垣方面へ向かう乗車客らで少々賑わっており、列車に合わせてうまく活用していることが窺がえました。

 

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ちなみにここら一帯は、中山道江戸から数えて56番目の宿場「赤坂宿」として栄えていた場所です。駅から北を向いて真っすぐ歩くとそれっぽい街並みが広がっており、史跡がまんべんなく散りばっていました(ちゃんと観光できなかったのが残念…)。

名古屋地区の西のターミナル的な位置付けの大垣からちょろっと出ている美濃赤坂線ですが、路線長に対して見どころが多くて非常に魅力的でした。今度は西濃鉄道の貨物列車の撮影もしてみたいところです。石引神社が有名らしいですし。

 

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復路は近くを走る名阪近鉄バス大垣駅前に戻ってきました。名古屋と京阪(神)を結ぶ高速バス「名神ハイウェイバス」と数多の貸切バス事業が強すぎて知りませんでしたが、西濃地区を中心とした路線バス網も形成していたんですね。

 

大垣始発の新快速に乗り込んで、再び名古屋方面を目指します。

次回に続きます。ありがとうございました。

 

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