あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈ふのよか九州旅-11〉くまモンと首都の地下鉄

こんばんは。

今日はクリスマスイブ、明日はクリスマス。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。かく言う自分は、あいにく予定が入ってましたのでこの記事は予約投稿させて頂いております。まあバイトなんですけどね、ついでに言えば明日もバイトです。泣けるぜ。

 

さて本題へ。熊本市電を堪能した後、熊本駅前から熊本都市バスに乗って上熊本駅まで移動しました。市電は時間が掛かりますし、JRは本数が少ない(それでも毎時2本ですが)んでね…

前回はこちらから。

naroaru.hateblo.jp

 

f:id:narotaro94:20211222085823j:plain

ここからは熊本電気鉄道に乗車します。熊本市街地の北側へのアクセス路線として、上熊本から御代志までの菊池線(10.8km)と、途中の上熊本から藤崎宮前までの勝崎線(2.3km)を結んでいます。

色々面白いネタがあるんですが、まず最初に触れたいのが使用車両。全て東京を走っていた地下鉄車両を2両編成に縮めて使っていまして、元東京メトロの01形なんかは第三軌条方式だったにも関わらずわざわざパンタグラフを取り付ける魔改造っぷり。

最近の話題としては静岡鉄道の1000形を譲り受けることが決まったようで、静鉄発注車両とはいえ中小私鉄からの譲渡という、やっぱりネタになる事案が発生しています。

 

f:id:narotaro94:20211222091624j:plain

上熊本から北熊本まで乗車し、乗り換えのためにホームに降り立つと、奥の車両基地には見慣れない真緑の車両が。

湘南スタイルの2枚窓が特徴的な5000形は、元東急5000系「青ガエル」として1986年まで活躍した車両で、引退後は全国の様々な地方私鉄へ受け渡されました。

熊本電鉄では一部両運転台化の上2016年まで走り続け、譲渡された5000系の中では最後まで生き残った一族だそうです。この日は運転体験会をやっていたようで、何の前触れもなくたまたま遭遇したのでラッキーでした。

関連記事が載ってました、イベント自体は結構やってるようですね。

熊本電鉄北熊本駅車庫で「5000形運転体験」 青ガエルを実車運転(熊本経済新聞/2021年11月12日)

https://kumamoto.keizai.biz/headline/117/

 

f:id:narotaro94:20211222093913j:plain

6000形(6211A-6218A) 〈普通 御代志

藤崎宮前まで乗車し、そこから歩いてこれまた熊本電鉄では欠かせないネタ要素を見に来ました。この区間だけは軌道法準拠、つまり路面電車の規格で敷設された経緯があるので併用軌道となっています。

車両はかつて都営三田線を走っていた6000形ですね。先述の通り大都会東京を走っていた車両が路面電車みたく超スローペースで通り過ぎていく様は、なんかもうシュールというか何というか…

ついでのネタとして、ここを撮った写真に大抵映り込んでいるのが「R SHOP」と書かれた看板。「なりまつ」という商店でして、「日本一危険なお買い物ができる」とかでナ〇コレ珍百景で紹介されたそうです。

 

f:id:narotaro94:20211222095752j:plain

近くのバス停から九州産交バスで桜町バスターミナルへ。時間の関係で片道乗車だけで終わってしまった熊本電鉄ですが、御代志方面も含めて再訪したいところではあります。新車(?)03形も撮れてませんし。

隣接する商業施設「SAKURA MACHI Kumamoto」でお土産を物色しつつ、辛島町電停から熊本駅前に戻ります。ちょうど滑り込んできた…のはそこそこ古いことで知られる1080型(1085号車)でした。最古の1060型はあまりにもレアすぎるので、2番目に古いこいつが見れただけでも十分です。

 

f:id:narotaro94:20211222100833j:plain

f:id:narotaro94:20211222100930j:plain

半日強お世話になった熊本を後にし、本日のお宿へ移動します。さすがに3回も同じ区間に乗るのはキツいので新水俣まで九州新幹線に課金。800系だったので自由席ながら2+2のゆったりシートでした。テーブルが小さかったのが難点でしたけど。

で、新水俣からは肥薩おれんじ鉄道へ。まあ水俣(正確には袋)以南は未乗車区間ですからね。にしても新大阪から1本で来れる便利な場所なはずなのに、駅前には誰もいないんですがそれは…

 

f:id:narotaro94:20211222101733j:plain

車両基地も併設されている拠点駅の出水に到着。ここも新幹線との接続駅なのにひとっこひとりいない…というのは誇張しすぎですが、どうやら新幹線定期券利用者は一定数いるようです。鹿児島方面への通勤・通学ですかね。

第9回でさらっとお話した通り、出水市は日本最大のツル飛来地であるため、ホーム上やコンコースではツルのモニュメントがお目に掛かれます。駅前にはC56型92号機蒸気機関車も静態保存されているそうですよ。

 

f:id:narotaro94:20211222102717j:plain

終点・川内に辿り着くと、再びJR鹿児島本線に復帰します。ここもまた新幹線との接続駅ですが…いやもう時間帯の問題なのでこれ以上の言及はやめておきましょう。

停車中の鹿児島中央行きは415系でした。ロングシートなのに座席がやたら柔らかい点は良かったんですが、問題は乗り心地でした。トランポリンみたいにアホみたく跳ねる跳ねる、いや他の乗客の方も上下に揺れてました。

台車のせいなのか、路線環境のせいなのか、自分含めた乗客のせいなのか…ここまで揺れるとは思っていなかったので、逆に笑えてきました…皆さんもぜひ乗ってみてください。

 

f:id:narotaro94:20211222104111j:plain

川内から無言で飛び跳ね続けること約1時間、熊本からは3時間半かけて鹿児島中央に到着しました。ここが本日の目的地にして、この九州旅における最後のゴールポイントでございます。

今宵のお宿は「東横INN 鹿児島中央駅西口」です。創立35周年記念ということで中学生以上35歳以下は宿泊料金が35%引きとなる「U35割」を実施していたので、まあ大変有難い値段で泊まることができました。大手チェーンだけあって、設備やら接客やらも申し分無しです。

余談ですが、ここからは鹿児島中央駅のホームが見下ろせるのでお手軽にトレインビューが楽しめます。真正面にはアミュプラザ鹿児島の観覧車もそびえ立ち、なかなか眺めが良い部屋でした。

 

f:id:narotaro94:20211222225554p:plain

さてさて、実動3日目だか実質4日目だかわけが分からなくなってきましたが、とりあえずこの日の移動経路を赤色で示しました。

水俣から一旦熊本に戻ってから鹿児島に来たので、ぱっと見あまり進んでいなさそうです。それでも距離にして283.9km、正規運賃だと6060円(熊本市電は5回乗車したと仮定、九州新幹線区間は除外)なので、やっぱ南北に広いということが分かりますね。

いよいよ最終日は鹿児島編、ちょうどキリが良いので続きは来年に持ち越しということにします。帰るまでが遠足…じゃなくて旅ですから、4日目の模様もぜひともご覧頂ければ幸いです。

次回に続きます。ありがとうございました。

naroaru.hateblo.jp

〈そーん九州旅-10〉清正のお膝元で熊本市電

こんばんは。

年末までに終わらせなければならない課題がたんまり溜まってきた中の人です。いや正確には「冬季休業中(三が日まで)に」なんですが、課題を背負ったまま年を越すのは気分的にゴメンですからね。

 

さて本題へ。早朝から九州新幹線を撮って、再び八代方面へと舞い戻っている最中でした。前回の模様は下からどうぞ。

naroaru.hateblo.jp

 

f:id:narotaro94:20211219232806j:plain

水俣から肥薩おれんじ鉄道に揺られること約1時間、終点の八代に着きました。お隣には新幹線と接続する新八代があるので、八代市の代表駅としてどっちを挙げるかは議論が分かれそうです(JTB時刻表では八代)。

ここからは吉松を通って日豊本線の隼人まで至る肥薩線が出ていますが、令和2(2020)年7月豪雨の影響で多くの橋梁が流される被害に遭い、現在も全線復旧の目途が立っていないようです。

球磨川橋梁や大畑駅など数々の近代化産業遺産を有していますし、お得意D&S列車も御用達だった路線ですが…果たして肥薩線の未来やいかに。

 

f:id:narotaro94:20211219234050j:plain

1200型(1207) 〈A系統 田崎橋→健軍町

鹿児島本線に乗り継いで、熊本に到着。そうです、前日は単に素通りしてしまっただけなので、もう一回戻ってきて熊本市内を巡ろうという魂胆でございます。

「旅名人の九州満喫きっぷは九州内すべての鉄道に乗れる」という話はいくらかした通り、もちろん路面電車も乗れるというのは長崎電気軌道で証明した通りです。熊本を走るのは熊本市交通局熊本市電、遠慮なく乗り込んでいきましょう。

今でこそ2つの系統を持つシンプルな運転形態ですが、最盛期には7つの系統が存在していました。年々増える赤字とともにいくつかの路線が消え去り、一時は全廃の危機まで陥ったものの、JR線との接続を改善するなどして利便性向上を図り、なんとか今も元気に走っています。

 

f:id:narotaro94:20211220000256j:plain

8500型(8504) 〈B系統 上熊本健軍町
1090型(1095) 〈A系統 健軍町→田崎橋〉

ちなみにここは通町筋電停そば、熊本城との2ショットが狙える定番ポイントです。繁華街の超ど真ん中なので車・人ともに往来は激しいものの、その割には被りなく撮れちゃう、そんな不思議な場所でした。

日本初のVVVFインバータ車両として名高い8200型の後継として登場した8500型。何気にセミクロスシートという珍しい車内でしたが、2021年2月のリニューアル時に撤去され、ついでに方向幕がフルカラーLED化されたという経歴を持ちます。

離合して影に隠れてしまった1090型は、古いもので66歳ながら熊本電鉄では最大勢力(7両)を誇ります。こっちをリニューアルすべきだと思うんですが、そんなことしなくても長年の箔が付いてたりするんですかね?

 

f:id:narotaro94:20211220001844j:plain

8500型(8503) 〈A系統 健軍町→田崎橋〉

せっかくここまで来たんだから、加藤清正が築城し、その独自の記述と美しさから「日本三名城」のひとつに数えられる熊本城へ。6F展望フロアから東側を臨むと、高千穂や阿蘇山を何となく見ることができます。どれがどれか分からんのが本音ですが。

で、記事にわざわざ載せたということは鉄道絡みということで、一応小さく映り込んでおります。ラッピングの色合いと撮影時刻から車種を割り出してみましたが、確証はありません。離合車両は標準カラーなのでもはや分かりません…

 

f:id:narotaro94:20211220001809j:plain

9700型(9705) 〈A系統 健軍町→田崎橋〉

熊本駅前のペデストリアンデッキから。こちら、日本で初めての2車体2台車、100%低床構造、いわゆる「超低床車両」として導入された9700型でございます。先述した全廃計画に対する起死回生の切り札として、1997年に営業運転が開始されました。

車体設計の参考にしたのがドイツの鉄道車両メーカー(アドトランツ)ということで、どことなくヨーロッパチックなのが良いですよね。編成ごとに試行錯誤を重ねたことで、微妙に仕様が異なるのも特徴です。

 

f:id:narotaro94:20211220184100j:plain

路面電車路面電車に被られる瞬間…

長崎と比べると車種も路線もコンパクトですが、その分魅力がきゅっと詰まっているような気がしました。やっぱ熊本城カットは、何枚あっても困りませんからねえ~

そんなこんなで熊本市電に相当時間を費やしたので、ここら辺で次なるローカル線を求めて上熊本に向かいます。

次回に続きます。ありがとうございました。

naroaru.hateblo.jp

〈みごしか九州旅-9〉八代海と九州新幹線

こんばんは。

12月の第3金曜日はJRのダイヤ改正プレスリリース発表日、ということでしたが、Twitterの反応を見ているとまあ悲鳴だらけなことで。我らがJR東海もそこそこ変化があったので、またじっくりと確認していきたいところです。

 

さて本題へ。福岡は門司&小倉から始まった九州旅、半ば3日目は熊本県水俣市から始まります。

前回はこちら。

naroaru.hateblo.jp

 

f:id:narotaro94:20211217183544j:plain

水俣から肥薩おれんじ鉄道の始発(隈之城行き)に乗って、お隣の袋で下車。ちょうど八代行きと行き違いをしているようですが、そのような事情が無い限りは全ての列車が駅舎(みたいな建物)側の1番線に発着するようです。

ところで全国には森(JR函館本線)、灘(JR神戸線)のような自然現象、鳳(JR阪和線)や姫(JR太多線)のような生き物を表した漢字1文字駅は多いですが、ここは「袋」という人工物。周りが山に囲まれていて袋っぽかったことがその由来だそうですけど、珍しいだけあって何だか面白いですね。

 

f:id:narotaro94:20211217185111j:plain

駅前の国道3号に出て、南を向いて道なりに10分ほど歩くと、自販機が並ぶ小さな広場(境の茶パーキング)が現れます。ここが熊本・鹿児島県境でして、人生初の鹿児島県へはまさかの徒歩で入ることになりました。

案内看板やモニュメントにあるように、鹿児島県出水市は日本一のツルの渡来地らしく、毎年10月中旬から3月頃まで滞留するそうです。今まさにピークとのことなので、興味のある方はぜひどうぞ~

県境からさらに20分歩いて、切通(きずし)小学校を越えたあたりで国道から外れて路地へ。ミカン畑特有の段々坂を頑張って上っていくと…

 

f:id:narotaro94:20211217190842j:plain

800系 〈5310A つばめ310号 博多〉

九州新幹線八代海を絡められる、そこそこ有名な撮影ポイントに辿り着きました。わざわざ水俣に泊まったのは、順光時間帯の午前中にここに来るためでした。

それだけでなく「せっかく九州に来たんだから800系を撮りたい」というのもありました。2004年の部分開業と同時に登場し、700系ベースながら2+2列配置や「和」をコンセプトにした内装など、まさにJR九州感満載な新幹線車両ですな。

熊本以南になると運転本数が減るので、その分800系の撮影チャンスも減ってしまうんですよね。加えて駅からも遠いんですが、ちょっと長めの散歩と思えばギリ許されるでしょう…ロケーション抜群ですし。

 

f:id:narotaro94:20211217190855j:plain

N700系(8000番台/R編成) 〈602A みずほ602号 新大阪〉

ただ誤算だったのが、思ったよりも山と線路の距離が近かったので8時時点ではとんでもない影落ち具合だったということです。秋~冬という時期だからかもしれません。

さらに誤算だったのが、九州新幹線八代海の間に架かる真新しい高架橋。これは南九州道(南九州西回り自動車道)だそうで、現在は水俣から出水までを繋げるべく絶賛事業中とのことでした。確かに写真左手のほうで道路がぶつ切れています。

将来的には九州道とともに真っ向からライバル道路となると思うので、そうなるとどこまで対抗できるかですよね。松浦鉄道西九州道もそうですが、実は両者が共存していく方法もあるのかもしれません。

 

f:id:narotaro94:20211217193711j:plain

N700系(8000番台/R編成) 〈544A さくら544号 新大阪〉 

ようやく影が引き始めたので、カメラの設定をいじくりつつ先頭車だけでも陽が当たるような構図に変更。お天気だけは快晴なので、まあ妥協点といった感じでしょうか。というか空も海もマジで青い…奥の山々は長島でしょうか?

九州新幹線N700系は、西日本車が7000番台(S編成)で九州車が8000番台(R編成)とのことですが、その違いは車番の隣のJRロゴカラーなので見分け方が難しいのなんの。下手すりゃ北陸新幹線E7系W7系よりタチが悪い…

 

f:id:narotaro94:20211218001957j:plain

本数の多い朝時間帯だったことも手伝って、3本(実際はそれ以上)も撮れれば十分でしょう。再び30分歩いて袋駅まで…はさすがにキツいので、国道を走る南国交通バスに乗車します。

これに乗れば国道分の徒歩(だいたい20分)を短縮できますし、発着するのは水俣駅出水駅阿久根駅の路線なので、時間さえあればこれを使わない手はありません。おいそこ車で行くぜとか言わないの(道は結構狭かったです)。

個人的には800系の運用でちょうどいいものが無いのが残念でしたが、もう一度来たくなるような場所でした。再訪したときにはもう西九州道が全通しているかもしれませんね、はてどうなることやら。

 

f:id:narotaro94:20211218010248j:plain

海浦付近

f:id:narotaro94:20211218004409j:plain

上田浦付近

一旦ホテルに戻り、チェックアウトしてから再び水俣駅へ。今度は八代行きに乗車…そう昨日来た道を戻ります。その理由は追々話すとして、肥薩おれんじ鉄道(元鹿児島本線)は海沿いを走る路線なので、区間によっては一面オーシャンビューなんてことも。

八代~水俣は「浦」の付く駅名が多いことから、どれだけ海と馴染み深いかがよく分かりますね。数々のイベント列車やJR九州からの特別列車がこの路線を通るのも納得です。

 

昨日は真っ暗で見れなかった車窓を眺めつつ、八代方面へと舞い戻ります。

次回に続きます。ありがとうございました。

naroaru.hateblo.jp