あすなろ撮影録

大学生の備忘録的ななにかです

〈9/1 変わる九州旅-5〉特急かもめ、出発進行

こんばんは。

10月14日は鉄道の日でしたが、とくにそれっぽいツイートをすることなく過ぎ去ってしまいました。日常利用だけでなく趣味としてもお世話になっている以上、やっぱりその有難さを考え直さなきゃならんと思いました。ともかく、150周年おめでとう!!!

 

さて本題へ。弾丸九州旅も2日目に突入します。先に前日(1日目)の模様をご覧頂くとより楽しめるかもしれません。

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世の中は新学期がスタートしててんやわんやしているでしょうけど、お構いなしに博多4番のりばからメイン列車を迎えます。

 

ここから乗車するのは、特急「かもめ」13号でございます。どちらかと言えば自分は撮り鉄に属している以上、乗り納めという概念にあまりこだわりは無いんですが、タイミングが合ったので便乗しておこうという趣旨です。

滑り込んできたのは西鹿児島(現在の鹿児島中央)発着の特急「つばめ」として1992年にデビューした787系。欧州をイメージした独特なブラックフェイスのインパクトは凄まじく、ブルーリボン賞だけでなくグッドデザイン商品やブルネル賞も受賞しています。

 

乗り込んでみたらびっくり、指定された座席がまさかの4号車でした。現在はサハ787形200番台を名乗るこの車両ですが、かつてはサシハ787形というビュッフェ備え付けの付随車でして、軽食やドリンクサービスが行われていたようです。

ドーム状の天井や荷物棚がない空間などはその名残で、足元に荷物が置けるようにグリーン車と同等のシートピッチ(1200mm)が確保されているという特徴があります。

「普通車なのにグリーン車並み」という車両は500系新幹線やJR東日本485系(リゾートやまどり)なども挙げられますが、それとはまた系統が違う豪華さを感じました。

 

博多を出発した後、とりあえずは鹿児島本線を南下しつつ、最初に停まるのは鳥栖。ここから長崎本線へと入ります。この辺は奥にサガン鳥栖のホームグラウンドがある以外は何も変わらないというか、昨日も通りましたね。

特急「かもめ」の歴史を辿ると、かつて戦前に東京~神戸を結んでいた昼行特急「鴎」から始まります。やがて京都~博多~長崎を結ぶ特急「かもめ」が登場し、長崎本線の代名詞とも言える列車でしたが、山陽新幹線の開業によって一旦は消滅することに。

後の1976年に長崎本線佐世保線が電化されたことから、その歴史ある名を譲り受け、それまでの急行を格上げする形で復活したのが現在の「かもめ」というわけです。

 

新鳥栖、佐賀と停まり、肥前山口佐世保線と分岐します。西九州新幹線と接続する「リレーかもめ」などは武雄温泉方面へと向かい、新たに登場した「かささぎ」は肥前鹿島発着なので、それより長崎側は完全なる「かもめ」区間を通ることになります。

言い換えれば特急が走らなくなる区間、ここに乗り納めの意味があるわけですね。現在は多良で対向の博多行きを待つところ。自治体名は太良町と表記が異なり、特急の乗降扱いは一切ありませんが、カニとみかんと温泉が出迎えてくれました。

 

で、この区間こそが有明海に迫るように走る長崎本線随一のハイライトだったりするわけです。よく見ると同業者の方が撮影に勤しんでいますが、鉄道ファンだけでなく観光客やビジネス客にも親しまれた車窓ではないのでしょうか。

極論を言えば廃線になるわけではないので、普通列車で見ようと思えば見れるのは事実です。ただ、リクライニングシートに身をゆだねながら、楽しいひとときの中で急に現れるオーシャンビューというのは、やはり心を踊らされるものがありました。

ちなみに下の写真は有名撮影ポイントでお馴染み、白浜海水浴場を写したもの。とある方が「撮り鉄的には絶景でも、乗り鉄的には良い車窓ではない…」とぼそっと残されていましたので、ここで勝手に引用させて頂きます…

 

諫早大村線沿いに来た西九州新幹線と合流し、終点へ向けてラストスパート。2駅先の喜々津から浦上までも新線と旧線(長与支線)に分かれ、現在はJRの3路線が実質並行するという稀に見ない地域となっています。

にしても787系、当初は「つばめ」としてデビューしたかと思えば新八代乗り換えの「リレーつばめ」を任され、続いて「かもめ」に生まれ変わったかと思えば「リレーかもめ」も担うことになるとは。こんな二転三転な人生、誰が予想できたんでしょうね。

 

博多から約2時間、終点の長崎に到着しました。長崎の地に鉄道が通ったのは1897(明治30)年のこと、今で言うところの浦上が初代「長崎駅」でした。2020年3月に高架化されたことで、現在は5代目駅舎が出迎えてくれます。

1~5番線までが長崎本線、その真隣には西九州新幹線の11~14番線。この光景も今となっては見られないもので、それを知ってか知らずか通りすがりに写真を撮る方もちらほらいらっしゃいました。

よくよく考えたらD&S特急「36ぷらす3」も佐世保発着に変更されたので、特急型車両が来ることは無くなったわけですね。う~ん寂しいような…

 

コンコースには新幹線としての「かもめ」をアピールするオブジェが。長崎県としては博多までの所要時間は短縮された反面、運賃はやや値上がりしたということで意見が分かれそうですが、今後どれほど活用されるかが気になるところです。

さて人生2度目の長崎駅なわけですが、ここまで特急「かもめ」を乗り鉄してきたんだからここからは撮り鉄をするっきゃない…ということでカーシェアに乗り込みます。

 

次回に続きます。ありがとうございました。

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