こんばんは。
まだまだ九州旅は続くものの、箸休めがてら本州での撮影録も挟んでいこうと思います。まあ同じ話題ばかりでは皆さんも飽きてくるでしょうに…というか中の人自身が溜まりまくるネタに悶々としている日々ではありますが。
さて、JR東海が誇る特急型気動車「キハ85系」の引退が近づいていることは周知の事実かと思います。なるべくカット数を稼ぎたいなと考えたとき、やはり風光明媚な風景と絡めた構図というのは誰もが魅力的に感じるのではないでしょうか。
となると、11月中旬は紅葉シーズン真っ只中。そしてキハ85系が走る高山本線は雄大な飛騨山地を突っ切るため、さぞかし秋らしい1枚が撮れることでしょう。
そんなわけで「キハ85系×高山線×紅葉」は数多の先人がベストショットを披露してくださっているので、かく言う自分は作例がほとんど無い「キハ85系×紀勢線×紅葉」を求めて紀伊長島までやって来ました。
というのも、紅葉は「最低気温が8℃を下回る日が3週間続く」と進むそうで、気候が比較的温暖な紀伊半島では内陸部ほどの色付きを期待することはできません。というか夏のイメージが強いですからね。
なるべく山がちな場所を選んだつもりでしたが、案の定想定通りの染まり具合でした。いやほんわか赤くなっているだけでも十分なのかもしれません。
手前の紅葉にピントを合わせてもう1枚。ここは孫太郎山の山頂にある展望台でして、紀伊長島~梅ヶ谷に位置します。大名倉森林公園の一角ですが、必要最低限の足場(みたいなもの)しかないので、実質登山みたいなもんでした。
いくら土曜日の昼下がりとはいえ、3両ってのが「南紀」の利用実態を如実に表していますし、「ひだ」と比べて注目されにくい理由なのかもしれません。北の大地の某特急よりは走ってるだけマシ、と思えばそれまででしょうが…
キハ25形(2次車/M1) 〈331C 普通 新宮〉
ひいひい言いながら下山して、大内山~梅ヶ谷の小道へ移動。所々で紀勢本線と国道42号が並走するので、その分撮影ポイントを見つけやすい気がします。
本数が少ないので普通列車もありがたく狙っておきます。やっぱり紅葉はどうしようもないですが、手前の稲穂も相まって秋らしさは滲み出てるんじゃないでしょうか。
こういう場所でキハ40系一族を見かけたら「ああ田舎だなあ」みたいな感慨に耽ることができるんですかね。乗っても撮っても楽しそうな瞬間ですな。
振り返ってもう1枚、この日一番の橙色を輝かせた紅葉と絡めることができました。探せばちょっとくらいは当たりが出るもんですねえ。
というかJR東海のコーポレートカラーがオレンジなので、そもそも車両が秋らしさ全開です。超シンプルな外観なのに目立つ2本のライン…いや実は夏らしさなのでしょうか。東海道新幹線は打って変わって青帯ですし、解釈の問題な気がしてきました。
少し戻って、国道42号の荷坂峠にある駐車場「マンボウの丘」から。個人的にはここが本命だったんですけど、紅葉具合は一番振るわない結果となりました。しかも通過のタイミングが分かりにくすぎるおまけ付き。
江戸時代はここが紀州の玄関口と位置付けられたそうですが、よくもまあこんなところに線路を通したもんです。この近辺の紀勢線はオメガループで高低差を稼ぐので、まさに交通の難所であったことが分かりますね。
先述の通り、紀勢線沿線で立派な紅葉を拝むことは難しいでしょう。ただ、実を言うと気温がさらに下がる12月以降が紀南の紅葉シーズンなので、「高山線の秋にもう未練はない」という方はぜひチャレンジしに行ってみてはいかがでしょうか。
以上、紀勢本線で紅葉を探してみた撮影記でした。ありがとうございました。
〈追記〉後日リベンジしてきました